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3.11 あれから13年

2011年、あの日は代々木にある会社でランチ後の穏やかな午後の始まりでした。

今日はとても暖かい日でしたが、あの日はとても寒かった。

代々木公園に避難して数時間、日も暮れて会社に戻り、電車の動くのを待った。

でも東京の被害と、東北の被害のニュースが届きその大きさに愕然とし、仲間たちと無言になっていく。

ひとり、ふたりと歩いて帰宅していく。

同じ方向に帰る私たち三人も防衛も兼ねて一緒にスタートした。

スタートした途端に帰宅難民という状況を目の当たりにした。

線路沿いを歩き原宿までの道すがら、店舗の破壊、被害を見ながら恐ろしくなる。

渋谷エリアに入るとさまざまなところから人が集まりしばらく動けない状況。

そこをまた抜けるとゆっくりとしか進まない大通りをとにかく抜けるために歩く。

途中飲み物を提供してくれる店、

教会でトイレを借りるのに順番を延々と待つ。

貸してくれることに感謝しながら、トイレットペーパーがきれ、ティッシュを探す。

花粉症でティッシュも使い切っていたような。

いろんな人が提供してくれているエリアがあり使わせてもらう。

やっと自宅に着いたのは日が変わって数時間後。

大きな被害はなかったけれど、ものが落ちて割れたり家具が動いていたり。

犬は玄関に自分の毛布を持ってきていた。

 

まだ東京はそれくらいですんだ。

5年前に行った陸前高田市。

地元の方の話を聞き、奇跡の一本松と言われる七万本あった中で一本だけ残った木を見上げると聞きかじっていた事に裏付けが当てはまる。

どんどん自分の中でも薄れていく記憶。

でもそれを許さない自分を作りたい。

今年の元旦、また同じように苦しく悲しく絶望の中にいる人がうまれた。

忘れてはいけない。

自分に出来ることをしていく。

 

あの日から数週間後、地元の駅前で募金活動をしていたグループにいたマギー審司さん。

少しだけ募金箱に入れさせてもらった。

手を握りしめて、ありがとうございます、ありがとうございますと見つめてお礼を言われた。

一人ひとりの行動は小さなことだけど、小さなことが積み重なっていくと少しずつ動いていける。

これからも忘れることなく少しの力になれるように。

自分の記憶を、いつもではなくて申し訳ないけどこの日は思い出していく日。

出来ることをやっていく。

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