抗がん剤が効いてくると、まず色々な臭いが辛くなりました。
食事の臭い、植物の臭い、化粧品や、石鹸、最後は臭いのない水までもが苦しくなりました。
抗がん剤の点滴の際は一緒に大量の水を飲まなければならないのですが、水を顔に近づけるだけで吐き気をもよおしました。
ジュースなどに変えてでもいいのでとにかく水分を摂取するようにと言われましたが
水で臭うのですから、ジュースはもっときつかったです。
コーラや、ヨーグルトドリンク、野菜ジュースなど様々試してみましたが
どれも苦しく、戦いのようでした。
化粧品は今までのものは使えなくなり、オーガニック系や無香料のものをお見舞いに頂いたりもしましたがそれでも臭いをとても強く感じました。
抗がん剤が抜けた今、改めて嗅いでみるといい香りだったり、本当に無臭だったりと・・・。
なぜあの時はあんなに敏感に感じたのだろうと驚くほどです。
更に洗濯の時の洗剤や柔軟剤も苦しかったです。
本当はいい香りと知っているものがいいと思えないなんて悲しく、元に戻るのだろうかと
あの時は不安でいっぱいでした。
また、常に口の中が苦く感じられ、刺激のあるものを好みました。
口の中に何か味の濃いものを入れておかないと、にがく苦しかったので
タバスコや唐辛子などを大量にかけて食事をしていました。
それから口の中をあえて痛めつけるかのように硬いものを食べてにがさから逃れようともしました。
抗がん剤の副作用で口内炎もできるのですが苦さの方が辛かったので敢えての飲食でした。
その為抗がん剤の影響のむくみと、食べ過ぎとで体重は増加の一途です。
癌のイメージのやせ細ると言う事は私にはありませんでした。
抗がん剤の副作用であるムーンフェイスで顔はむくみ、食事の影響で体もパンパンです。
臭いに関しては最後の抗がん剤投与後1カ月ほどで基に戻ってきましたが
口の中の不調は暫く続き苦痛でした。
今では良い香り、いやな臭いの区別もつき臭いに悩まされる事はありません。
あの頃、看護師さんの勧めで新発売の炭酸ジュースも飲んではみましたが結果は同じで苦しい思いをしたので、今でもコンビニなどでそのジュースを見かけると吐き気がしてきます。