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麦のこと

11月11日、ワンワンワンワンの日に空の遠いところに引っ越しました(ポッキーの日)。
うちに来て4年3ヶ月。
私に多くの穏やかな時間を与えてくれました。

10月半ばの日曜日夜、一緒にかくれんぼしてたっぷり遊んで、しっかりご飯食べて、ゆっくりしていたら突然動けなくなりました。
翌日から朝晩の通院がスタート。
最初はメラノーマの転移で肺が破裂したのかもとのことでしたが、そうではなく脳転移の可能性があると。

検査をしていく中で、腎臓、肝臓、胆管などにも影響が出ており、そのための治療を毎日ICUに入りながら頑張りました。
黄疸もひどく出ておりオシッコはもちろん体も黄色に光り輝くようになりました。

一時少しだけ回復してヨロヨロですが歩けるようになって喜んでいたのも束の間、膵臓などにもいったようでした。

朝、病院幼稚園(幼稚園を付けることで気持ちを鎮める)に送り、昼間見に行ったり、夕方お迎えにいく日々。
もう軟体動物のようにグニャグニャグニャ子になってしまいました。
そのうち点滴のルートももう確保出来ないところまで全て潰れてしまい、テーピングしていた後ろ脚も一部壊死していました。
自宅での処置をと言われたのですが、私は血や傷口、骨を見ることが出来なくて病院にお願いすることに(一瞬見えた途端に倒れそうになってしまう)。

今月はじめには殆ど治療が出来なくなり緩和ケアに入りましたが、毎日点滴と栄養補給と酸素吸入の為の通院。
自宅ではミキサーで流動食を作り、水も食事も注射器で与える。
嫌がる薬も無理して口から入れる。
辛かった。

意識は最後までしっかりあって、私を目で追ってくれる。
トイレはベランダでしかしないオンナに育ててしまったのを後悔。
いつも散歩でもせず、帰ってきたら速攻ベランダに走るオンナだったので、オシッコシートを敷いているのに絶対しないし、オムツは嫌がる。
だから毎晩1時半3時半5時半に起こされてベランダに出すとすぐシッコ(元気な時は夜中にトイレに起きることなかったくせに!)。
それに加えて、水飲ませろ!寝返り打たせろ!の催促がくる。
外での長い仕事の時は一旦帰ってベランダに出すと速攻シッコ。
我慢して待っててくれた。
だから全て、全然苦じゃなかった。

最後の日は、先生から、もう一度ICUに入ってもらって治療してみる?
もう麦ちゃん満身創痍だけど、少しだけ戻るかもしれないから。
そう言われて預け、夕方迎えに行きました。
迎えに行ったとき、残念だけど朝との変化はなかった。
そして連れ帰り抱っこして話しかけていたらしばらくして少しだけ苦しそうに吐いて、そのまま腕の中から旅立っていきました。
先生たちからは、家で抱っこされてバイバイしたかったんだよね、って言ってもらい最後にきれいにシャンプーしてもらって伸びた毛をトリミングしてもらって帰ってきました。

少し前から犬好き麦好き友だちらもお見舞いに来てくれて抱っこしたり話しかけたり、沢山の癒しを与え合っていました。

コロナ禍の最中に14歳と言われて引き取ったら、実は10歳だった麦。
病院の診察台で仰向けで爆睡して先生たちに呆れられる麦。
散歩に行ったことなくてピンク色の肉球だったけど真っ黒で硬い足の裏になった麦。
最初なかなか自分からは甘えられなかったけど、抱っこして!が出来るようになった麦。
この4年間たくさん愛し合いました。
さくらん坊もいるし春に行った父もいるし大丈夫かな。

見送って2週間、私は貧血で倒れてしまったり、数年ぶりに風邪ひいて病院のお世話になったりのここ数日。
さくらんの時と違う疲労感。歳だな。
まだまだ麦の足音やクゥーンという声が空耳のように襲ってきますが少しずつ思い出にしていけるよう頑張っています。

 

麦がうちの子になったときから、

何度も治療しているときも、

今回の状況になったときも、

応援ありがとうございました。

長くなりましたが報告です。
心配して連絡くださった方々、ご報告が遅くなりすみませんでした。
もう大丈夫!きっと!

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