昨日の午後、西口さんを紹介してくれた友人のSNSの投稿で知った。
数年前、彼女の紹介でセレナイトを訪ねてくれたとき、ワタシの本を持参してくれて、知らなかったこと、必要なことがたくさん書いてありますねと言ってくれた。
2時間程、静かに時間のながれるセレナイトの中で色々なことを話した。
雨のひどく降る日だったから、余計になんだか落ち着きすぎる内容になってしまったように感じた。
その少し前にお客様を見送り、セレナイトを作った時の予想と現実の違いにうろたえ、今もまだその感情が落ち着かないと伝えたように思う。
その後、ある医大の講義の一部を担当するので見に来ますか?と誘って頂き同行した。
テーマは「がんの告知」
凄く暑くて呼吸も苦しくなるような夏の日だった。
2時間の講義の中で医療者と言う立場の人たちが話す内容と、
西口さんの伝えたいと思う内容が数十人の未来の医療者にどう響いているのかを側で感じた。
その後は講堂に移動し講演。
自分の耳でこれまでのことを改めて聞き、先程の講義の中での彼の優しさに触れた気がした。
なぜこの時間に誘ってくれたのか。
セレナイトでお別れをしていく方々は、一度しか会ったことがない方もその時の少し前に連絡をくださる。
それが叶わない人は、旅立った後にご家族から連絡が入る。
あの雨の日それを話したからなのか。
それに向かう者が他人にそれを伝えるということはどういうことなのか。
その前にある、医師がこの病であることを、まだその時は患者にもなっていない人間に伝えるということはどういうことなのか。
違うけれど、繋がっている。
それを知っておいてということだったのかもしれないと思った。
ずっとそれに向かって生きるという、極限に近い生き方をする人がいる。
その中でどう生きていくか。
彼も、セレナイトのお客様たちも素晴らしく逞しい生き方をしていた。
西口さん、大切な時間を共有させていただき心より感謝しています。