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入院前の準備と、思い出の手帳

昨日、突然時間が空いて、久しぶりに大型書店へ。

妹に頼まれていた手帳もゆっくり探そうと思い、本屋兼文房具屋さんへ行ったら10月ともあって店先にはもう来年の手帳が沢山並んでいました。

 

 

6年前の今頃は入院を目前に控え、様々な準備に取りかかっていなければならない状況だったなぁ。

そんな時でも、ワタシの手帳は仕事の事で埋め尽くされていました。

10月11日に入院して13日に手術。

なのにその両日も会社の予定が書いてありました。

会議の事とか、イベントの事とか。

勿論入院前日まで仕事をしており、その内容や、自分の入院中の会社の予定なども細かく書いていました。

きっと、がんから逃れたかったのかもしれませんね。

初期のがんだから・・・自分にはそう言い聞かせながらも病気についてや治療方法は全く書いていないのです。

そして、すぐに復帰する予定でいたので、がんから逃げるのと同時にちょっとした休暇をとる感覚に自分を無理矢理追い込んでいたのかもしれない。

 

最初の手術後、退院が延期になり転移を告げられすぐに再手術、そして抗がん剤治療。

年末まで入れていた仕事のスケジュールはワタシを置き去りにしてそのまま残り、

追加される事の無い手帳は、白い部分だけが目立つ11月と12月のページで終ってしまっているのです。

これまでの月と同じように真っ黒になって、付箋が沢山貼られる予定だったものが、

ある日突然、忘れられた存在になってしまったような。。。

 

そして出てきたのが入院手帳。

外出許可をもらって妹と一緒に銀座に買いに行った。

実は、実家と東京の度重なる行き来で壊れてしまった妹のトランクを買いに行くついでに手帳をなんとなく購入。

あの頃外出許可がもらえるワタシはみんなの憧れの的で、シャンプーや化粧品や雑貨なんかを沢山頼まれて買い出し隊長になっていた。

11月3日に買ったらしいその手帳にはそれからの治療予定などが細かく書いてある。

そしてこの日、自分でおしっこをする事ができなくなっていたワタシは自己導尿がスタートしたと書いている。

検査の諸々やリンパパッサージについて、検査結果について。

 

また、5日から数日の一時退院の許可をもらってした事は

出社して事情の説明をし、短い時間での引き継ぎ、取引先に挨拶、保険会社に連絡、定期(券と預金の両方)の解約、様々な書類作成、キックボクシングジムの解約、

そして、長かった髪の毛の断髪式。

本当は坊主にしたかったんだけど、切りすぎると脱毛した時に肌に刺さって痛いからという看護師さんのアドバイスでショートカットへ変身。

 

暫く食べられないお寿司を食べに行ったり、友だちが一時退院祝いと誕生日会を開いてくれたりしながらも

ウイッグを購入したりと幸せと不幸せの混在した何とも不思議な数日間。

 

その手帳の11月のページの一番上には

再手術、寝てるだけ・・・

と書いてある。

そうね、ワタシは寝てるだけだった。

だけどその後からは暫く寝れない日々が続くなんて思ってもいなかったな。

 

 

手帳ってある意味日記帳ですよね。

ひと言ふた言の書留めだけど、その心情が短い文字の中に詰まっている。

 

なんとなく引っぱり出した手帳で色んな記憶が蘇ってきた。

 

ちょっとセンチメンタル、かもね。

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