「がんを恐れない」という大特集のAERA
盛りだくさんな内容で大変読み応えがありました。難しくてあと何度か読み返さなければ理解出来ない事も多々・・・。
患者、医療者両方の立場から様々な体験や意見、今後のがん社会について掲載されている。
その中で「外見ケアで職場復帰を支援」をテーマにした、国立がんセンターアピアランスセンター長の野澤先生の特集はとても興味深く日頃の自分の活動と重ね合わせて読む事ができました。
野澤先生は私が入院中からお世話になり未だに甘えさせて頂いております。
余談ですがこの記事を読みながら思い出したこと。
抗がん剤治療で入院していたとき、入院病棟に野澤先生が来てくださってのアドバイス予約を入れていた時間に、車椅子でナースステーションにある談話室に行って待っていたら何故だか貧血になり座ったまま気を失ってしまった。だからその日はキャンセルとなり野澤先生のお話しは聞けずじまい。。。なぜか今思い出した。
だけどその後、セレナイトをやりたい!!!と言い出した友人の結婚式の衣装やヘアーメイクなどトータルでプロデュースしてくださった事から今のお付き合いに至るのです。
私たちはセレナイトスタートについても、その頃まだ先生がいらっしゃった大学まで行って色々と相談したり、叱られたりしておりました。後になって、「やるからには頑張って欲しいから敢えて厳しい意見を言わせてもらった」と聞いてすこしホッとしました。だって本当に怖かったんですよ、あの時。
未だに注意を受けたり叱られたりする事が多いけど、たまに、ホントたまーに褒めてくださいます(笑)
この前は「2年間よく頑張りましたね」って。泣きそうになった。
はじめた時のみんながいなくなって苦しくて辛い時はストレートに励ますのではなく「え?そこ?」と思う方角からのアドバイス。
相談内容によっては一刀両断の時もあるのですが、一度立ち止まり考える時間ときっかけになるので有難いです。
この記事の中で先生も仰っていた、
「がんになっても生活者である事には変わりない。治療背景を含め患者さんが社会の中で快適に過ごすにはどのような方法があるのか、という視点で支援する事が大切」
その通りだと思います。最近特に実感しています。
セレナイトにいらっしゃる方々も美容の相談やメイクの相談です。しかしその裏には外見や肌悩みが引き金になってその先の大きな悩みになっていたり、自分では気が付いていないけれど本当の悩みは見た目では無かったりと話しをしていくうちにポロンとこぼれてくるんです。
それを吐き出す事で気持ちも落ち着き、なんとなくすっきりしてくる。そんな方も少なくない。
昨日も電話がありました。
「もうすぐ抗がん剤が終わるんです。HPで見たんですけどエステやってるんですよね。肌がね、ぼろぼろなんです!浮腫もあるし、髪の毛も生えはじめてはいるけど抜けてるんです!」と怒りながらの電話でした。
以前の私なら「え〜なんで怒って電話してくるの???」でしたが、いるんですこんな方。
なんにあたったらいいの分からないまま電話してきてぱーっと早口でまくしたてるように話す方。
淡々と状況を話して「で、いつが空いてるの?」と怒りながら聞かれる方。
こんな方に予約日に初めてお会いする日は朝から怖くて嫌だな・・・なんて思っていましたがお会いすると全く普通の方々でした。
だけど気分のコントロールが出来なかったり、何かに対し怒りが爆発した瞬間に苦しくなって勢いで電話してきた方もいました。
だから会ってみると謝ってくる方もいれば、まだまだ弾丸トーク炸裂中の方も。
そんな時はこちらも自分の経験とそれを踏まえた美容のヒントを丁寧に分かりやすくお伝えする事で安心されるのです。
そして本当の苦しさの背景が見えてきたりするのです。
今度お会いする方もそうかな?
健康な人もそうですが悩みがあったり、辛い事があると肌状態が悪くなって、くすんでクマが出来たり、ニキビに悩まされたりしますもんね。
それにプラスして根底にはがんがあって、治療の副作用があってもうぐちゃぐちゃだったりするんです。
女子ったら面倒くさいんです。
でもキレイでいたい。だって女子なんですもん。
特にお仕事と治療を両立している多くの女性にはとても大きな課題となっている美容・外見問題。
少しでも心が軽くなって見た目を気にせず今までと変わりない日常が送れるお手伝いが出来るようにこれからも励みたいと思います。