がんと言う病気になって本人の辛さ、苦しさは言うまでもないが、
ご家族や、とても近い間柄の友人のそれも計り知れないものがある。
実際セレナイトにもそんなお問い合わせを頂く事がある。
「娘ががんになりました。自分も精一杯そばにいて看病しているけれど、本当はなにを求めているのでしょう・・・」
「妻ががんになったけれど、私に出来る事は何でしょう」
「友人ががんです。なんて声をかければ傷つきませんか?」
私は自分ががんになるまでは、がん患者の家族にも、近い友人にもなった事がなかった。
そのため言葉は悪いが「他人事」だったと思う。
突然自分ががんになり、家族の辛さ、友人の苦しみは経験していなかったから、どんな気持ちでそばにいて一緒に闘ってくれているのか想像もしなかった。
「大変なのは自分」
今思えばとても心の荒んだ患者だったと思う。
以前体験談にも書いたが、そんな家族の心がわからないまま治療をしていたのでいつもそばにいてくれる家族に対しひどい事もした。
本当は自分と同じくらいに家族や友人が苦しんでいる事など微塵にも感じていなかった。と言うよりわかろうとしていなかった。
しかしもうすぐ3年を迎える今、冷静に振り返る事も多少だが出来るようになった。
また、その間に大切な友人を3人見送る経験もした。
ご家族とともにその体験をさせていただき本当のご家族の大変な厳しさを知った。
そしておくられる側の患者本人の気持ちも少しだけ理解した気がする。
そんな時、ご家族と友人向けの会を開いてみたらとの声を頂き、
患者目線ではなく、家族友人目線で語り合って、日頃は声に出せない事を話して頂きたいと思い9月20日にサロン会を行う予定。
患者である家族や友人には直接言えないこと、聞けないことを打ち明け少しでも楽になって頂ければと思っている。
看病している側が、何かの拍子に看病される側になる事もある。
それはとても悲しい事。
そんな事が起こらないように、短い時間でもいいから心が軽くなるようにみんなで話しができたらと思っている。