セレナイトを考えた彼女は車椅子でウェディングドレスを着ました。
抗がん剤治療中だったので脱毛した頭にはキレイにカールしたウィッグつけて、
浮腫んだ顔にメイクして、
抜けてしまった目元には付けまつ毛を付けて、
黒くなった指先にネイルして、
脚もリンパ浮腫でしたので車椅子。
それでも花嫁さんは笑顔でした。
この姿を作ってくださったのは国立がんセンターのアピアランス長の野澤先生。
入院していたので色々とアドバイスをくださって当日も着付けから介助までしてくださいました。
彼女の夢だったウェディングドレス姿を叶えてくださったのです。
成人式のニュースで最近は見るようになった二部式の着物。
結構前からあるのですが、今、成人式では車椅子使用の方やハンデのある方に役立っているそうです。
セレナイトのお客様で、私に着物のアドバイスをしてくださった方は乳がんです。
ご自身の治療経験を、この着付けに活かせないかと先日も少しお話ししました。
着たいものがあっても我慢するだけではなく、挑戦出来る選択肢があるといいなと思いませんか。
着物を着る機会は、直ぐに脱ぐという訳にはいかないので、覚悟も体力も必要ですが、それが出来る知識、経験を持った人がいて、着付けてくれる。
安心ですよね。
全摘した方はそれをどうするか。
インプラントが入っている人は?
両側の方は?
乳がんに限らず、お腹を切った方やそれ以外の方も、稀ではありますが着物を着なければならない、若しくは着たい時もあると思うのです。
それでも絶対に着物を着れないではなく、どうにかすれば着ることはできるんですよね。
そういう意味で、挑戦が広がる。
そんな機会を作って欲しいなぁと淡い願いを伝えてみました。