真夏の抗がん剤治療は色んな意味で大変だと思います。
灼けたくない。
じめじめとした空気が気持ち悪い。
化粧が落ちる。
そして一番の悩みはウイッグ。
ワタシも真夏に装着していたのでよくわかります。
洗っても数日着けるとぼさぼさになるし臭くなる。
中は蒸れて熱い。
にゅるにゅるする。
かゆい。
頭皮にはふきでものができる。
自分の髪の毛なら毎晩、暑けりゃ〜朝晩の2回でもゴシゴシと洗う事は出来るけどウイッグだとそうはいかない。
洗うだけならまだしも乾かすのだって一苦労。
肉体的、精神的にくたくたなこの時期は本当にきっつ〜い季節でした。
でもね、「もういいや・・・。」ってなってしまうとそこから先もっといいや!の連続に陥ってしまいます。
日焼け止めもいいや、化粧水もいいや、顔を洗うのもいいや、メイクするのもいいや、もう何でもいいや。
違う!よくないよ。
この大変な期間はちゃんと終わります。
一回いいや!とやってしまうと自分自身外に向かわなくなってしまうし全てを拒否してしまいます。
今までの自分を拒否し、環境を拒否し、人を拒否し、これからを拒否する。
ワタシもそんな時がありました。
Xmasからお正月にかけて。
会いにきてくれると言う人たちを避けて、明るい情報を避けて、生きると言う意味を避けようとしていました。
だけど明日はちゃんと来てしまうから涙を流しながら毎日を送ってた。
涙は出なくなて、心の中でしか泣けなくなっていた。
でもその明日を変えられるのは自分しかない事に気付いた。
ちゃんとウイッグのお手入れをしないと乱れるしメイクしないと人前に出れない。
身だしなみを整えないと仕事に行けない。
顔を洗わないとぼろぼろになる。
そこから色んな事を考えた。
夏になってウイッグの乱れには悲しくなったから方法を考えた。
1週間に1回は必ず洗う。
匂いを残さない。
裾のハネを見逃さない(そうしないと外にはねる事でウイッグだってバレてしまう)
ハネにホコリが溜まっている人を見てそうならないようにしようと努力した。
お客様やいろんな会で耳にする事。
看護師さんたちはいつでも「似合ってるよ〜」「ステキ」「大丈夫よ」って言ってくれるけどそれは抗がん剤中の患者さんたちと比較しての言葉。
健康な人たちの中に行くとすぐにバレてしまう。
その先の言葉が欲しいのにみんなこの言葉たちで返ってくる。
そして私たちは普通の社会の中で傷ついた。
だったら自分でやるしかないんじゃない?
ちゃんと洗う、乾かす、化粧する。
出来る、女子なんだもん。
キレイにしなきゃと思うから難しいだけで、普通にいたいと思って簡単な方法を考え、知れば必ず出来る。
髪の毛も生えている時はかゆくなるから地肌を洗ってたよね。
だから髪の毛が生えてなくてもちゃんと地肌洗わなくちゃ。
頭皮と顔やカラダの皮膚は違う。
顔の中でも一番脂が浮くTゾーン(額や鼻にかけて)の3倍以上も脂が出るのにそのままにしておくと詰まってかゆくなるし吹き出物が出来て、それがウイッグにあたって痛くなる。
すごくカラダが辛い時は仕方ないから洗わない、若しくはカラダと一緒のソープでさっとでもいいけれど気分やカラダが大丈夫な時はちゃんとシャンプーで洗って欲しい。
高価な物でなくても、今まで使っていた物でいいからちゃんと洗う事。
清潔に保つ事が一番だと思います。
リンスやトリートメントは髪の毛がないんだから必要ありません。
汗が流れ出ないように工夫をしたり、乱れないような対策を考える事も大切。
ワタシは運良く???まわりの友だちや家族が「ウイッグ、ハネそうだよ。」「なんかちょっと変」「そろそろ洗えば?」なんて温かい?いやいや厳しくチェックしてくれるようになったのでどうにか乗り切る事ができました。
いまはセレナイトにいらっしゃるウイッグ装着中の方には同じようにお伝えしています。
ワタシが言うと、「外で、あの人変じゃない?なんて思われてたと思います!!指摘してくれてありがとうございます」って仰って頂けます。
はじめの頃は失礼かな?って思ていたけれど言ってよかった^^に変化しました。
自分のココロ持ちひとつで明日は変わっていきます。
出来ることからでいいので「もういいや」は止めにしませんか?
あの頃のワタシに付き合ってくれていたさくらん坊。
食事もしなくなりやせ細って動物病院でも心配されて、引き取りに来てあげてくださいとの連絡があり妹が行きました。本当に小さくなったこの子の写真が病院にいたワタシに送られて来た時は「あぁ感じてるんだ、動物だってわかってるんだ」って思った。
でも暑い夏にはこんなことして笑わせてくれてました。いやいやワタシが付けて笑わせてもらってました。
ごめんね、ありがとね。