私達の想い さとう桜子より
ワタシたちはその病気になった瞬間から暗闇の中に突き落とされます。
それはある日突然。
そして長い間その闇の中で自分らしさ、女性らしさを抑えながらの生活が始まるのです。
見た目の変化や治療後の体の変化は至る所に現れます。
変わり果てた自分と向き合いながらの毎日はこれからの女性としての夢を失うような想いを抱かせる事もありました。
下着もそのひとつです。
手術後目が覚めると晒でできたT字帯を着けていました。
数日間それで過ごした後に勧められた物は、大きめのパンツや男性用のトランクスなどの全くかわいらしさとか女性らしさからかけ離れた物だったのです。
あの時色々探してみましたがワタシたちの想うような物は見つからなかったのです。
そこで、自分たちで考え、デザインを書いたりしながらいつか作りたいねと誓いました。
それは術後や治療中の体を労りながらも女性らしさを持っているもの。
洋服の中に隠れる下着ではあるけれど、それを着けている事で少しでもシアワセを実感できる物を想い描きました。
そして今、それをカタチにしました。
きっかけは看護師さん。
患者に寄り添い、いつも温かく側で見守ってくれるひとの後押しでした。
暗闇の中にいても希望をもって光を放つ月のようにワタシたちはいたい。
そしてワタシたちをいつも優しく温かく照らしてくれる太陽のような家族や友人、医療者のみなさん。
月と太陽の繫がりがセレナイトの想いです。
北海道がんセンター 緩和ケア認定看護師
副看護師長 佐々木由紀子
桜子さんのブログの中からT字帯の写真を目にしました。
それは、きれいなパステルカラーで、結んだ紐さえ可愛らしいリボン飾りのように見えました。
女性らしさを存分に楽しめるT字帯のような肌着で、
彼女たちがセレナイトをスタートした時にいつかみんなで作りたいと話していた物に近い物だと・・・。
女性らしさを失わずに、しかも術後や、様々な治療中にも優しく寄り添うような下着をいつか作りたいと書かれていました。
それはほんの数秒、わずかの時間でしたが私の心の中にとても強い印象を残しました。
冬の札幌で、桜子さんと再会しました。
食事の席で「あのT字帯、あればいいな。」ふと言った私の言葉が桜子さんに火をつけたようです。
この“Tパンツ”は細かい所までよく考えられ、
「患者さんの日常を少しでも快適にしたい。」
「患者さんの気持ちを少しでも明るくしたい。」という桜子さんの思いが込められています。
何度目かの試作品を看護師仲間で見せてもらったとき、ある看護師がお腹に当ててみながら「うん、自分でパンツを選ぶとき、白は選ばないな~。」と言った言葉が印象的でした。
私達医療者にとって“白いT字帯”が当たり前で、何の疑問も持っていませんでした。でも、診療の邪魔をせず、術後の回復期の体に負担をかけない、このことさえクリアすれば“白いT字帯”である必要はないです。
見えないところだってお洒落したい、それで気持ちがハッピーになって、ひいては闘病意欲に繋がる、そんなTパンツになることをこころから願っています。
tomoko☆(AdhyatmaYoga代表)
絨毛がんサバイバー/ヨガ講師
わたしは自身の病気後から、いわゆるふんどしパンツを愛用しています。それは自身が告知を受け自分でもがんのことや病気の仕組みを様々な角度から調べてゆくなかで、「締め付けないこと」が心身に大きな作用を与えると気付いたから。
一般的な下着は各所にゴムが使用されています。その下着がずり落ちないということは「わずか」でも「確実に」ある一定の締め付けが身体にかかっているということ。その締め付けは慣れてしまうと気付かないレベル、ですが、確実に。
これは心の作用にも似ています。わたしたちは日常生活のなかで「耐えられるし慣れてしまうと気付かないレベル」だけれどもガマンしていることや自分を押し込めていることが多々あります。病気が見つかる、症状が出るというのはそういうときなのではないかと感じています。これまで自分でも気付かぬうちに自分のなかにためてしまったガマンや負担が、病気という形や症状で現れる。そう現れることで、自分の深いところが「ガマンしてますよ」「わたしがんばってるよー気がついて!」と言ってきているような。
だからこそ。まずは身体から、締め付けをやめてほどいていきましょうよ。
身体の締め付けを取り除くことは、心の締め付けをほどくことになります。だって、身体と心は繋がっているのだもの。
Night&Day CELENITEのTパンツで、心身ともにゆるりと健やかに過ごせる女性がたくさんあらわれることを願っています。